黒潮がぶち当たる伊豆半島沖の神子元島。その水面下に世界中のダイバー垂涎のシーンが繰り広げられています。憧れのハンマーヘッド、しかも数百の大群! かつてメキシコのラ・パスや与那国島までその光景を見に行きましたが、なんと我らが伊豆半島でも体験できるのって知っていました?
神々しいまでのハンマーヘッドの群泳。
上級者だけが見られる崇高な景色

「伊豆半島でほんとにハンマーヘッド(シャーク)が見られるの? 」最初は猜疑心、たっぷりでした。
ハンマーヘッドシャーク(通称ハンマーヘッド)とは、トンカチみたいな頭が特徴のサメで、ダイバーの憧れ生物トップ5に間違いなくランクインする存在です。サメといってもイタチザメやホオジロザメのような凶暴な輩ではなく、ハンマーヘッドは基本的には臆病な性格。刺激を与えないよう、遠くから見ている分には害はありません。ムダのない流線形のボディに盛り上がる筋肉、恐ろしいというより、かえって美しいと思える存在です。
ハンマーヘッドの群れに会いたくて、ダイビング雑誌の編集者時代にメキシコのラ・パスや与那国島へも足を延ばしました。だから、関東ダイバーにとっては地元ともいえる伊豆半島で会えるなんて、にわかには信じがたかったのです。

ダイブクルーザーに乗り込み、
いざ、神子元島へ!

神子元島は伊豆半島の先端、南伊豆の弓ヶ浜沖約8kmに位置する赤銅色の岩礁です。青空にそびえる神子元島灯台は、通称「世界灯台100選」に選ばれた、日本の5つの灯台のうちのひとつでもあります。ダイビング船に乗って約15分。この灯台が徐々に近づいてくると、ダイビング前の興奮もぐんぐんと高まってきます。

カメ根というポイントに入ったときのこと。ガイドさんの後をついていったら、ここで待機しているように、とのジェスチャー。強い潮流を感じながら身構えていると、潮流の中、カラダをくねらせて泳ぐハンマーの群れを見つけました。
あまりにも神々しい群泳に、自分のエキゾーストの呼吸音も消えて、周囲の景色も消えて。世界に自分とハンマーヘッドの群れだけが存在するような感覚というのでしょうか。今でもその瞬間は切り取ったように鮮明に記憶に残っています。
英語も対応。けれど、潜るには
条件があります
今では神子元島の名前は、世界的に轟いています。海外のダイビングサイトで日本から来たというと「神子元島に潜ったことある?」と聞かれることもたびたび。近頃は、神子元島のダイビングサービスによっては英語(ただし通訳機なしで)の対応も可能です。
ただし、時として潮流が激しい海に入るので、経験とスキルと体力は絶対に必要です。神子元島ダイビング組合の規定で、ゲストの経験本数は講習を含めて50本以上と決められています。また、60歳以上の方ならびに投薬治療中の方は、医師の診断書が必要です。15歳以下ならびに70歳以上の方は診断書を持っていても、参加することはできません。最後のダイビングから1年以上のブランクがあっても潜れないので、ご注意を。また、通訳機なしで英語もしくは日本語でスタッフとコミュニケーションが取れることが条件となります。
経験とスキルが求められるかなりハードなダイビングなので、ベテラン・オンリー。神子元の海を十分に楽しむためにも、それらが必要不可欠です。
南伊豆は絶景・穴場ビーチの宝庫!


神子元島への拠点、弓ヶ浜へ行ったなら、温泉のお楽しみも! 温泉を引いている民宿もありますし、下賀茂や子浦など近隣には温泉郷も。
そして南伊豆にはおすすめの穴場ビーチがいろいろとあります。ポピュラーなところでは、イタリアの海岸線のようなヒリゾ浜。おとぎ話の世界のように美しい吉田浜。他にも、南伊豆は絶景ビーチの宝庫です!